絵解き曼荼羅 一、イダイケ、極楽浄土を欣う
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イダイケ夫人は、娑婆の苦しみ悲しみにホトホト嫌気がさしました。身も心も疲れきってしまい、体を地に伏して懺悔してこう言いました。
「お釈迦さま、私は苦しみのない清らかな世界に往き生まれたいと願います。そのような世界があるのなら、どうか私のためにお見せ下さいませ」
するとお釈迦さまは、眉間から光を放たれました。その光は、十方にある無数の清らかで妙なる国々を照らし出しました。この絵に描かれている九つの宮殿は、それらの国を表しています。
しかしよく見ると、それぞれの宮殿の扉は閉ざされています。イダイケ夫人は、自分のように煩悩の多い人間では、これらの世界には近づけないと知りました。
しかしその中に、一つだけ扉が開いている国があります。
そこには、まぶしい光に包まれた仏さまがいて、「こっちにおいで」と喚んでいらっしゃいます。
イダイケ夫人は、お釈迦さまに言いました。
「ああ、お釈迦さま、私はあのまぶしい光に包まれた仏さまの国に往きたいです。私のような罪深い人間でも喚んで下さる仏さまがいらっしやいます。あのお方の国へ生まれるには、どうしたらよいのでしょうか」
このイダイケ夫人の願いが、『観無量寿経』が説かれる直接のきっかけでした。まぶしい光に包まれた仏さまとは、すなわち阿弥陀さまです。そして阿弥陀さまがいらっしやる国こそが極楽浄土です。
果たしてイダイケ夫人は、極楽浄土に往生することができるのでしょうか。
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