絵解き曼荼羅 一、閉じこめられたビンバシャラ王
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自分の出生の秘密を知ったアジャセ王子は、父親ビンバシャラ王を憎み、とうとう餓死させようと、お城の奥深くの部屋に閉じこめてしまいました。
「なぜ、このようなことになったのだろうか。昨日まであんなに可愛がって育てた我が子に捕らえられるとは…」
この世の無常を思い知らされ、部屋の中で頬杖をついて思案に暮れているビンバシャラ王です。
塀の前にいる五人の門番は、それぞれ王の欲を表しています。「見たい・聞きたい・嗅ぎたい・食べたい・触れたい」という五つの欲望です。
また塀の後ろのほうにいる三人は、王の心にある三つの煩悩を表しています。これを「三毒」と言い、貧欲(むさぼり)・瞋恚(いかり)・愚痴(無知)のことです。
ビンバシャラ王が悩んでいるのは、五つの感覚器官「眼・耳・鼻・口・身体」が正しく働いておらず、三毒の煩悩が発生してしまうからです。
これは王だけでなく、私たち凡人も同じで、煩悩が絶えることなく頭に浮かんできます。私たちは、みんな煩悩のかたまりなのです。
ビンバシャラ王、そして私たちは、一体どうしたら極楽浄土へと救われることができるのでしょう。
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