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総本山 誓願寺


 

 


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絵解き曼荼羅 三、上の上の往生

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絵解き曼荼羅 三、上の上の往生の画像1

 


ここからは、まんだらの下の縁に、向かって右から左へと九つに分けて描かれている「九品の往生人」についてお話しします。

「定善義」では、精神集中して極楽のようすを想像しましたが、日々の暮しの中では、なかなかそういう難しいことはできません。しかし、そのような修行ができなくても誰もが救われるのですよ、という教えが、これからお話しする「散善義」(気が散りながらも善い行いを心がけること)です。「定善義」の「行」(=修行方法)に対して、「散善義」には仏さまの救いを受ける「機」(=人)が描かれています。

ここにいう「九品」とは、九種類という意味で、極楽への往き生まれ方について、生前の行いの良し悪しによって、上品上生から下品下生まで九つの種類があることを示しています。それぞれ、仏さまとのご縁、善い行いをしようとする態度、仏さまのお迎えの様子など、さまざまです。中には悪人と呼ばれる人もいます。

大切なことは、散善義が横一線に描かれていることです。これは、九品が、人間を九つに差別することではなく、一人の人間の移り変わる姿であることを示しています。また、すべてが仏さまの慈悲によって平等に救われるということも意味しています。

なお、九品の真ん中の「縁起段」(まんだらの由来)については、一番最後にお話しします。

散善義の最初は上の上の往生の人です。

絵を見て下さい。阿弥陀さまが、たくさんの仏さまをお連れになって、亡くなった方をお迎えに来ている場面です。その仏さまたちは、蓮華の台を持っている方、琵琶や琴を弾いている方、笛を吹いている方、太鼓を鳴らしている方、合唱している方、旗を持っている方などたくさんいらっしゃいますが、みな、亡くなった方を褒めたたえています。

この上の上で往生する人は、「三心」が備わっている人です。「三心」とは、「誠実な心」・「深く仏を信じる心」・「極楽に往きたいと願う心」の三つです。分かりやすく言いますと、この人は、「慈しみの心で生き物を殺さず、様々な決まりごとを守り、お経を読んで、極楽に往きたいと願う人」です。

この人が命終わる時、阿弥陀さまは、観音さま、勢至さまを初め、数え切れないほどの菩薩さま方をお連れになって、この人をお迎えに来て下さいます。そして、指を弾くほどの短い時間に極楽に生まれ、やがて「仏」となります。

こういう人を、「上の上の往生の人」と言います。

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