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総本山 誓願寺


 

 


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絵解き曼荼羅 三、下の下の往生

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絵解き曼荼羅 三、下の下の往生の画像1

 


最後は、下の下の往生の人です。

この絵の人は、十悪五逆の悪を犯し、そのために悪道におちて、長い間、苦しみを受けることになるのです。

絵には屋内外に人々が十数人います。これは十悪五逆を表しています。お坊さんをいじめたり、殺生したり、塔婆を薪にして肉を焼いて食べる絵があります。

また仏さまの後背(後ろの飾り)の上に鹿の足が乗せてあります。これは世の善と悪を表します。鹿の足は、殺生という悪事を示し、自力を殺す意味です。後背は、仏さまの他力を表します。他力の上に自力が乗せられて、つまり、自力を止めて他力になりましょうというのです。

命が終わろうとする時、お坊さんに巡り会い、仏さまの教えを聞き、また仏さまを拝むことを教えてもらいます。しかしその人は、苦しみが多すぎて仏さまを心に想うことすらできません。そこで、さらにお坊さんはおっしゃいます。

「どうしても、心に仏さまを念ずることができなければ、ただ口に『南無阿弥陀仏』と称えるがよい」。

その愚かな人が念仏を称えると、一つ一つの声に多くの罪が消えます。そして、まさに命が終わる時、黄金の蓮華が日輪のようになって、その人の前に現れます。愚かな人には、仏さまの来迎のお姿は見えません。ただ、蓮華のみが見えるのです。

やがて往生し、蓮華は花開いて、観音さま勢至さまが大慈悲の声で教えをお説きになります。この愚かな人は、それを聞いて喜び、清らかな心をおこします。その時、その人はもう救われているのです。

こういう人を、「下の下の往生の人」と言います。

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