絵解き曼荼羅 三、下の中の往生
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八番目は、下の中の往生の人です。
この絵の人は、様々な戒律を破ってしまった人です。この人は、みんなのために蓄えてある物や、お坊さんに差し上げる物、あるいは、仏さまにお供えする物などを盗んでしまいます。
この絵では、木の枝に懸かった天蓋(仏さまの頭上を覆って守る飾り)を盗む人が描かれています。また、自分の利益のみを考えて、人々に誤った教えを説く悪いお坊さんも、ここに含まれます。
この人の命が終わる時には、仏さまのお迎えではなく、地獄の炎が現れます。そしてこれまで犯してきた罪を責めるのです。
その時、善いお坊さんが次のように勧めます。
「この炎は、あなたの犯した罪です。もしこの苦しみを逃れようと思うのなら、大いなる功徳のある阿弥陀さまのお名前を称えなさい」。
勧められるままにお念仏を称えようとすると、一回も称え終わらないうちに、先ほどまでその人を責めていた炎は、たちまち美しい花びらを運ぶ涼やかな風となります。
これは、お念仏を勧めるよいお坊さんの声を聞くことができたからです。お念仏には、人が称えているのを聞くことにさえ、このように大きなご利益があるのです。
こういう人を、「下の中の往生の人」と言います。
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