絵解き曼荼羅 四、極楽の宮殿その三
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この宮殿は、まだ極楽浄土に生まれていない私たちのために、お浄土から、私たちの往生を喚びかけて待つ様子です。
阿弥陀さまは、私たちのためにご馳走を用意して、「早く、この安らぎの世界にいらっしゃい!」と招いておられます。
心のままに、美味しい食事が器に満たされます。でも実際に食べることはありません。それらを眺め、香りを聞くだけで満足できます。やがて食事は消え去り、時間が来ればまた現れます。こうして、身も心もつねに満たされるのです。
宮殿の二階は円形になっていて、阿弥陀三尊さま(阿弥陀さま・観音さま・勢至さま)がいらっしゃいます。そこに橋が架かっています。念仏の教えをいただいた私たちは、この橋を渡ることができます。
橋の上には、阿弥陀さまや菩薩さまたち、そして一人の童子がいます。童子は、阿弥陀さまに向かい、左手に茎の蓮華を持って礼拝しています。これは、念仏の花を捧げ持っていることを意味します。
この童子は私たちです。愚かであった私たちが、たとえ一回でも念仏を称えることによって、阿弥陀さまの本願力に救われ、極楽の池の蓮華の中に生まれます。やがて花が開き、仏さまに出会い、その教えを聞くことができます。この功徳によって、すぐさまこの橋までやって来られたのです。
これこそ下の下の人の往生のすがたです。阿弥陀さまが広く私たちをお救い下さることをあらわすものです。
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